【プロが解説】米麹甘酒、自分で作るものと、市販のもの、どっちが良い?
- 2025.02.16
- 味噌

こんにちは、いせ弥です。
米麹甘酒は話題の発酵食品ですよね。いろんな効能があるとのことで、数年前から注目が集まっています。そのおかげで、最近はスーパーなどでも売られているので簡単に手に入るようになりました。
しかし、創業158年、6代目の米麹職人 いせ弥店主から言わせていただくと、米麹甘酒は自分で作ることをおススメ。
そのほうが米麹甘酒本来のもつ効能を損なわずに身体に取り入れられるんです。
その理由をご紹介します。
米麹甘酒とは
米麹甘酒とは、米麹で作る甘酒のこと。世間にある甘酒には米麹を発酵させて作る「米麹甘酒」と、酒粕を溶かして砂糖で甘みを付けた「酒粕甘酒」の2種類があります。いずれも体に良い成分(酵素)や栄養素がたっぷり含まれていますが、内容が違うので、注意してみてください。
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含まれる成分
①栄養素
米麹甘酒は、米麹が分解されるときにできるブドウ糖、オリゴ糖、必須アミノ酸、ビタミンB群など多数の栄養素がたっぷり含まれています。さらにこれらの栄養分は分解が進んでいるため消化が良く、弱った身体への栄養補給に最適。そのため、「飲む点滴」と言われているほどなのです。加えて、これら栄養素は善玉菌の餌にもなり、免疫力アップにもつながる効果があるというのですから、見逃せませんね。
②酵素
米麹の本来の特長はこの「酵素」が生成されること。米麹が生成する酵素は数十種類にもおよび、主なものはデンプンを分解する「αアミラーゼ」「グルコアミラーゼ」、タンパク質を分解する「プロテアーゼ」「ペプチターゼ」があります。米麹甘酒が甘いのは、このアミラーゼ酵素によりデンプンがブドウ糖に変わったことによるものです。これら酵素は唾液や胃液にも含まれており人間の体内でも生成されますが、年齢とともに酵素の量は減少します。(一説には80代の人の消化酵素アミラーゼの量は20代の人の1/20~30になる)
効果的に身体に良い酵素を取り入れていきましょう。
市販の米麹甘酒は自分で作ったものと、どう違う?
以上の通り、米麹甘酒はとっても身体に良い健康食品であることがわかりました。しかし、市販の米麹甘酒は自分で作ったものと どう違うのでしょうか。
最近はスーパーでもよく米麹甘酒が売られていて、手軽な少量のもの、お得な大容量、常温で長期保存できるもの、いろいろ選べます。いつでも買えるし作る手間もない、と良いことづくし。そんな市販の米麹甘酒は自分で作ったものとでは何が違うのでしょうか。
その違いは「熱処理」。
市販の甘酒は変質/腐敗せず長期間保存できるように滅菌のため熱処理を行います。しかし、その熱処理は滅菌と同時に酵素が失われてしまいます。酵素はタンパク質からできており、細菌などと同様に一定以上の温度にさらされると破壊されてしまうのです。
先述の通り、米麹甘酒の最大の特長は「酵素」です。むろん身体に良い栄養素を消化良く取り込めることもポイントですが、市販の米麹甘酒ではせっかくの酵素の効能を取り込むことはできません。
その点、自分で作った米麹甘酒ならば、本来の力である酵素をしっかり身体に取り入れられます。ぜひ米麹甘酒をつくってみてください。
米麹甘酒の作りかた
とはいっても「米麹で甘酒なんて作ったことない~」って方、朗報です!
近年簡単に手に入るようになった「ヨーグルトメーカー」。これを使えば米麹とお湯を混ぜて一晩おいておくだけで出来上がり!たくさん作って冷凍しておけばいつでも飲めます。
<材料>
米麹 250g
お湯(約70℃) 750cc
1.米麹はビニール袋の上からよくほぐしてください。
2.米麹をやヨーグルトメーカーに入れ、お湯と混ぜます。
※ 米麹と混ざって 55℃~60℃くらいになります。
3.保温時間を55℃、保温時間を8時間に設定して醗酵させます。2・3時間おきに軽くかき混ぜ、温度をチェックしてください。
4.米麹の粒が柔らかく溶け、全体的にどろりとして甘くなればできあがり。甘みが少なければ、さらに6時間保温して醗酵させてみましょう。
5.お召し上がり時は、好みに応じて薄め、少し塩を加えます。生姜を入れると風味が良くなります。
6.残りはジップロック袋やタッパーなどに小分けにして冷凍庫で保管してください。
まとめ
今回は米麹甘酒について市販のものと自分で作ったものの違いをご紹介しました。
市販の米麹甘酒はいつでもスーパーで手に入るし、手間なく美味しさ・栄養分を取り入れることができます。
しかし、自分で作れば、本来の力である酵素を身体に取り入れられます。ヨーグルトメーカーがあれば簡単に一晩で作れる米麹甘酒。
ぜひ米麹甘酒でウエルネスな生活を過ごしましょう。
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